ご依頼の背景
30年以上前に祖父が亡くなった。祖父の遺産分割が未了のまま、依頼者の父親がその土地の管理をしたり、かかる税金の支払いをしていた。
その父が先日亡くなり、母はすでに亡くなっていたため、唯一の相続人であった依頼者のもとに税金の支払通知が届いた。
相続する土地が遠方のため、依頼者には管理ができない。祖父の遺産分割も行われておらず、しかし父には兄弟がいるため相続人は多数になると考えられ、不動産の名義変更など、今後についてちゃんと決めたい。
依頼人の主張
福井県にある、祖父名義の土地(山林、畑、家屋)と、父名義の土地(畑)を、遠くて管理できないし、田舎のため売却の望みも薄く、もしも依頼者で相続すると税金だけ払い続けることになるので、相続放棄したいと考えている。
サポートの流れ
被相続人の財産は主に土地であり、借金こそなかったが、預金は少なかった。
相続する土地は福井にあり、依頼者にとって相当遠方のために管理できず、また、売却の見込みも薄い場所である。まずは事前に土地の場所である市へ、土地を譲れないかどうかを訊いてみるよう案内。残念ながら、都市開発予定地域に該当しない土地は引き取れないと連絡があった。祖父(被相続人の父)の遺産分割が未了で、相続人調査をしたところ、相続人が多数であり、遺産分割の合意はおよそ困難に思われた。相続した場合、古い家屋の取り壊し費用が発生することや、管理していない場合に倒壊による所有者リスクも考えられた。相続することによる依頼者の負担を考えると、たとえこれらがプラスの財産であり、マイナスの財産はなかったとしても、相続放棄したほうがいいという最終結論にいたった。依頼者の相続した持ち分を計算の上、相続放棄申述書を作成。被相続人の財産の中で、預金の一部を使ってしまっていたため、被相続人の葬儀費用やお布施、墓石費用などの祭祀にあてた旨の事情を記載した上申書を併せて提出した。
結果
相続放棄の申述は受理された。