ご依頼の背景

母親の財産管理を長女がしていたようであるが、母親が亡くなった後に遺言書が出てきた。その遺言書には全財産を長女に相続させる旨の内容が記載されていた。

長男は、遺留分侵害額請求をしたが、長女は応じないし、財産も何も開示しない状況であった。長男は長女の行動を不審に思い、弁護士に相談しに行くこととなった。

依頼人の主張

遺言書は、認知症の母親が長女に書かされたものではないかという疑念があったが、病院のカルテ等によると、全くの判断ができないような状態ではなかったことから、遺言無効確認の手続をすることはあきらめた。

但し、遺留分侵害額の請求はしたい。長女が生前贈与として母親から500万円を受け取っていること、不動産の価格の評価は適正にしたい。

また、長女は生命保険の受取人にもなっていることから、この点についても調査したい。

サポートの流れ

母親の入院していた病院から、カルテ等の資料を取り寄せて、内容を分析した。認知症であったが、遺言が無効になるような判断能力であることが記載されてはいなかった。母親の使用していた口座の銀行から、取引履歴を入手して500万円の出金がなされていることが判明した。

但し、生前贈与の事実がはっきりとあったことまではわからなかったので、一つの交渉材料として、調停で主張することとした。

また、生命保険についても、弁護士会による23条照会の手続により、生命保険金額が判明したが、特別受益になり得るような金額ではなかったので、主張することは控えた。

不動産については、不動産業者から、査定書を取得した。長女側からそもそもの不動産価格がもっと低い金額であるとの反論及び解体費用分が安くなるとの反論があったが、不動産業者からのアドバイスによる主張及び解体業者から見積書を取り寄せて、解体費用の交渉をした。

結果

長女への生前贈与が認められなかったが、不動産の価格の評価は依頼人の納得がいく形で、合意できたことから、400万円で調停が成立した。