遺産相続の事前対策である、遺言信託という方法をご存知でしょうか。

初めて聞いたという方については、ぜひこれを機会に相続対策として検討してみていただきたい手段のひとつです。

今回は、遺言信託に関する基本的な知識と、遺言信託や公正証書遺言を作成することのメリットについて解説します。

遺言信託の2つの意味

一般的に言われている遺言信託には、実は2つの意味があり、それぞれ内容が異なります。

相続手続きの代行としての遺言信託

遺言書の作成から相続発生後の遺言執行など、遺言書に関わる相続手続きを依頼することを遺言信託といい、信託銀行や法律事務所などが遺言関連のサポート業務として行っているものです。

この場合の遺言信託では、信託銀行など信託を受けた専門家が遺言書の作成から相続発生後の各種事務手続きまでトータルでサポートしてくれます。

信託法としての遺言信託

遺言書によって、財産を信託することも遺言信託といいます。

信託というと、信託銀行に信託するイメージがありますが、近年では家族に信託する「家族信託」を利用する人も増えてきているようです。

当事務所では、上記2つのうち相続手続きの代行としての遺言信託を中心にサポートしております。

相続手続きの代行としての遺言信託のメリット

遺言書は遺産相続において非常に強い効力がありますが、遺言書の内容を実現するためには、遺言執行者がいない場合は相続人全員が一丸となって手続きをしなければなりません。

ところが、遺言書の内容に好意的ではない相続人がいた場合については、名義変更手続きなどの協力が得られず、手続きが遅れてしまうことがあります

当事務所に遺言信託をご相談いただければ、当事務所を遺言執行者として指定することができますので、当事務所の弁護士が単独で遺言書に沿って手続きを進めることが可能です。

当事務所では公正証書遺言の作成をお勧めしています

遺言書には、直筆で作成する自筆証書遺言、内容を秘密にできる秘密証書遺言、公証役場で作成する公正証書遺言の3種類がありますが、当事務所では最も確実性の高い公正証書遺言の作成をおすすめしています。

公正証書遺言の特徴

公正証書遺言はその他の遺言書とは違い、公証役場で公証人に作成を依頼するもので、原本についても公証役場が保管してくれます。

偽造、変造、隠蔽、紛失といったリスクを回避できるとともに、相続発生後は家庭裁判所での検認手続きが不要であるため、遺言執行の手続きにすぐに着手することが可能です。

公正証書遺言を作成する際には、一定の手数料がかかりますが、その分、相続人にとってのメリットが非常に大きいので、できるだけ公正証書遺言で作成することをおすすめしています。

公正証書遺言の作成方法

公正証書遺言を作成するにあたっては、概ね次のような流れで進みます。

ステップ1:ご依頼者様との打ち合わせ

事前に当事務所の弁護士がご依頼者様と入念に打ち合わせをして、遺言書に記載したい内容について確認します。

相続財産の調査や相続人予定者の確認などについても、当事務所の弁護士が丁寧にサポートします。

ステップ2:公証人との事前打ち合わせ

公正証書遺言を作成する際には、事前に公証役場の公証人との事前打ち合わせが必要になります

当事務所にご依頼いただければ、弁護士が代わりに遺言書の趣旨や内容を事前に公証人に伝えて打ち合わせをしますので、別途お時間をお取りいただく必要はございません。

ステップ3:作成日当日

当事務所が事前に公証人と打ち合わせをしていますので、当日はご本人様に公証役場まできていただき、所定の手続きをしていただくだけで、簡単に公正証書遺言ができ上がります。

当日は証人2名が立ち会う必要がありますが、当事務所で手配することも可能ですのでご安心ください。

当事務所に遺言信託をご依頼いただければ、遺言書に関連する手続き全てをサポートさせていただきます。

遺言信託を利用した方がよいケース

次のようなケースについては、遺言信託をご利用いただくことで、相続発生後の紛争を予防することができます。

相続人以外の人に遺贈するケース

遺産を相続できるのは原則として相続人だけですが、遺言書で遺贈することで相続人以外の人にも財産を譲ることが可能です。

ただし、このようなケースでは相続人からの反発も予想されるため、スムーズに遺言書の内容を執行するためには、専門家である弁護士に遺言信託しておくことをおすすめします。

相続廃除や認知をするケース

遺言書によって相続廃除や認知をしたい場合については、遺言執行者の指定が必須条件となっています。

当事務所にご依頼いただければ、これらの手続きをすべて単独で行うことが可能です。

遺留分を侵害するケース

一部の相続人に多くの財産を残す内容の遺言書を作成すると、他の相続人の遺留分という保護された取り分を侵害してしまう可能性があります。

このような紛争の可能性が予想される遺言書については、弁護士に遺言信託しておかないと、かえって紛争を悪化させてしまう可能性があります

これらのケースにあてはまる方は、ぜひ当事務所まで遺言信託についてお問い合わせください。

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