ご依頼の背景

父がなくなった。
生前、被相続人は会社経営をしていた。相続財産は、いくつもの土地・建物、多額の現金・預貯金、動産類がある。全体としては依頼者にはわからない。
相続人は、依頼者を含む先妻の子2人と、現在の配偶者(後妻)の合計3人である。後妻はもともと愛人だったこともあり、それぞれが疎遠で、複雑な思いを抱える関係性である。姉弟も20年近く、ほとんど会話がなかった。
こういった状況で、遺産分割をするとどうなるのか。

依頼人の主張

被相続人は経営者で、創業時から平成15年頃までは業績が良かった。業績がさがったあとは、不動産の取引などで資産を形成し、自宅や貸家の土地建物をはじめ、現金、車、骨董品、貴金属、預貯金など数億円以上にのぼる資産を持っていた。生前に資産を使い切ったとは思えず、現在もかなりたくさんの財産があるはずである。生命保険金もある。それらを相続人たちで3分の1ずつ分け合いたいと考えている。もし3分の1ずつ分け合わず、法定相続分での分割ということになるのなら、子と後妻とのあいだで養子縁組をしたい。
後妻は生前の被相続人から、億以上の贈与を受けていると考えている。自身も遊興費、自宅購入代金や事業の援助、車両購入、子の学費などで援助を受けていた。弟も、自宅購入費、車両、学費、生活費の面倒をみてもらっていた。

サポートの流れ

相手方である後妻が開示した相続財産目録を精査。財産を明らかにした上で、子らは3分の1の相続を提案したが、後妻からは調停申立がなされた。
祭祀承継について、後妻が相続人の同意なしに祭祀について変更している点を指摘し、協議が整うまでは戻すよう要求し、もとに戻った。過去の経緯を指摘し、粘り強く交渉を継続し、ほぼ3分の1づつの割合で協議がととのうようになった。
多額となった相続税については、税理士に相談しつつ、話を進めていった。

結果

調停は取り下げられた。遺産分割協議書を作成し、それぞれ合意を得、事件終了した。