相続する財産が決まったら、故人から相続人への名義変更手続きをする必要があります。

遺産の名義変更手続きの中でも、比較的多くの方が経験する可能性が高い、銀行関係と不動産関係の名義変更については、近年の法改正により手続きが非常にしやすくなりました。

今回は、遺産分割後の名義変更手続きのポイントについて解説したいと思います。

名義変更手続きの必要性について

遺産分割協議と比べ、名義変更手続きは後回しされるケースがよく見受けられます。

相続税申告などのように手続きに期限が設定されていないため、つい後回しになりがちですが、長期間放置しているとデメリットも発生する恐れがあることも留意しておかなければなりません。

名義をそのままにしておくと二次相続が発生するリスクがある

名義変更手続きが終わらないまま相続人が死亡して二次相続が発生してしまうと、簡単にできたはずの名義変更手続きが、二次相続の相続人の協力がなければできなくなってしまいます。

手続きや書類も複雑になってしまうので、名義変更手続きは遺産分割協議が終わり次第早めに行うことをおすすめしています。

売却するには名義変更が必要

不動産など高額な資産については、名義変更手続きをしてからでないと、売却したり、担保に入れることはできません。

賃貸物件を相続する場合については、賃借人に対して自分が大家であることを証明するにあたり、名義変更後の登記簿謄本の写しを見せるといった対応も必要になります。

名義変更手続きの主な流れ

名義変更手続きについては、変更する遺産の種類によって手続き方法や添付書類が異なりますが、ここでは一般的に多いケースとして、不動産の名義変更の主な流れについて解説していきたいと思います。

相続登記の必要書類

不動産を相続した際には、相続を原因とする所有権移転登記を行って所有者の名義を変更する必要があります。

この登記手続のことを一般的に「相続登記」といいます。

相続登記の手続きにあたっては、主に次のような書類が必要となります。

亡くなられた方に関連する書類

  • 死亡から出生までの戸籍謄本、除籍謄本、改製原戸籍
  • 住民票の除票または戸籍の附票の除票

相続人に関連する書類

  • 法定相続人の戸籍謄本
  • 遺産分割協議書(相続人全員の印鑑証明書が必要)
  • 不動産を相続する人の住民票
  • 固定資産税評価証明書
  • 対象となる物件の登記簿謄本

このように非常に多くの書類が必要になるため、相続人が自分自身で手続きをすることはとても大変です。

当事務所では相続分野を多く取り扱う司法書士との連携がありますので、相続登記関連のご相談にも対応しています。

不動産を含む相続で名義変更までお考えの方はぜひお気軽にご相談ください。

法定相続情報証明制度により、名義変更手続きがとても簡単に

相続登記をするだけでも一苦労ですが、銀行口座や株式の名義変更などにおいても、概ね同じような書類が必要になるため、相続人が取得しなければならない書類は膨大な量に及ぶことがあります。

また、名義変更する人が法的に相続人となり得るのかについて、法務局、銀行、証券会社などで個別に確認するため、名義変更するまでにかなりの時間と手間が掛かります。

そこで、相続による名義変更手続きを簡略化してスムーズにするために、2017年5月29日から「法定相続情報証明制度」の運用が開始されました。

法定相続情報証明制度とは

これまで名義変更手続きをする際には、関係機関が独自に戸籍謄本などの書類を見て相続人が誰なのかをその都度確認していましたが、法定相続情報証明制度では、この確認作業を法務局に集約することとしました。

相続人が「法定相続情報一覧図」と呼ばれる亡くなられた方と相続人との家系図のような一覧表を作成して、法務局の登記官に確認してもらうことで、法務局の認証を受けることができ「法定相続情報一覧図の写し」という書類を発行してもらえます。

法定相続情報一覧図の写しが、法務局が認めた証明書となり、相続登記以外の銀行口座や証券会社の名義変更の際にも使用可能となりました。

つまり、法務局が一度法定相続人について確認すれば、あとは法定相続情報一覧図の写しがあれば、戸籍謄本などの添付書類を省略して名義変更手続きをしてくれるということです。

当事務所なら名義変更までワンストップで対応します

相続財産の名義変更手続きは、法定相続情報証明制度の導入によって、以前よりはかなり手続きがしやすくなりましたが、それでも戸籍謄本の収集や確認作業については相続人の方にとって負担となります。

当事務所に相続についてご相談いただければ、相続発生後の財産調査、相続人調査から遺産分割協議のサポート、そして名義変更手続きまで経験豊富な弁護士がワンストップにて対応することが可能です。

また、当事務所は相続税を専門にしている税理士や相続登記に強い司法書士、不動産鑑定士、土地家屋調査士、遺品整理業者、不動産会社などと連携していますので、相続税申告、相続登記、相続不動産の売却などについてもスムーズに対応できます。

堺エリアを中心に、地域に密着したワンストップサービスをご提供いたしておりますので、どうぞお気軽にご相談ください。

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