初めて遺産相続を経験する場合、まずは何からすればよいのかわからないという方も多いのではないでしょうか。

相続の手続きの中には期限が設定されているものもあるため、全体のスケジュールをあらかじめ確認しておくようにしましょう。

今回は相続の大まかなスケジュールについて解説します。

亡くなられた直後にすべきこと

家族が亡くなられた直後は、以下のとおり、手続きを進める必要があります。

死亡届の提出

死亡を知った日から7日以内に死亡診断書と一緒に「死亡届」を、本人の死亡地か本籍地、または、届出人の住所地の市区町村役場に提出する必要があります(国外等の例外あり)。

死亡届を提出すると、火葬埋葬許可証が交付され、これにより亡くなられた方の火葬埋葬ができるようになります。

通夜・葬儀

葬儀費用については故人名義の預金から支出することもできますし(銀行ごとに引き出し手続きが必要)、相続人が立て替えて支払いすることも多いと思います。

いずれの場合も、遺産分割協議で必要になりますので、支払金額がわかるよう領収書を保管しておくようにしてください。

葬祭費の支給申請も忘れずに

被相続人が国民健康保険・社会保険・共済組合等に加入していた場合は、葬祭費として給付金が支給されます。

国保の場合は市区町村、社保の場合は所管の保険事務所か勤務先、共済の場合は加入の共済組合に問い合わせましょう。

各種手続き

亡くなられた方の健康保険証を返却するとともに、年金受給停止の手続きも必要になります。

生命保険に加入している場合は、保険金の請求手続き、住宅ローン返済中で団体信用生命保険に加入している場合は、金融機関などに連絡して手続きをすることで住宅ローンの残債相当額の保険金が支払われ、ローンが完済されます。

これらの手続きを一通り終えたのち、遺産相続の手続きに着手するのが通常です。

できればこの段階で当事務所にご相談いただいたほうが、最適なアドバイスやサポートが可能ですのでお早めの相談をご検討ください

遺産相続の流れ

遺産相続の手続きに着手してからは、次のような流れで進みます。

相続人の確認

相続が発生したら、まずは相続人が誰なのかを確認する必要があります。

相続人となる人のことを「法定相続人」といい、民法の規定は以下の通りです。

配偶者相続人

亡くなられた方の配偶者は常に相続人となります。

内縁の妻など、結婚していない場合や、すでに離婚している場合については法定相続人にはなれません。

血族相続人

配偶者以外の相続人については、次の順位で生存しているものが法定相続人となります。

  • 第1順位:子供
  • 第2順位:直系尊属(親、祖父母)
  • 第3順位:兄弟姉妹

法定相続人については、被相続人の戸籍謄本・除籍謄本・改製原戸籍(いずれも出生から死亡まで)などを取得して確認する必要があります

例えば、認知している子供や養子縁組をしているにもかかわらず家族に内緒にしているケースもあり、そう言った事実が遺産分割協議をし終わった後に判明すると、すべてやり直さなければならなくなってしまう危険性があります。

相続人調査は必ず戸籍を使って行うようにしてください。

当事務所では分割協議の依頼の一部として戸籍取得・相続人調査の代行業務も行っております

遺言書の確認

遺産相続の手続きは、遺言書がある場合とない場合で大きく流れが異なります。

遺言書がない場合については、相続人全員で遺産分割協議を行って、それぞれの相続分について決める必要がありますが、遺言書がある場合については、遺言書の内容を執行することで遺産分割ができるため、原則として遺産分割協議をする必要はありません。

遺言書には、公正証書遺言、自筆証書遺言、秘密証書遺言がありますが、公正証書遺言については、公証役場にて遺言書の有無を検索することが可能です。

相続財産の調査

遺産分割協議をするためには、遺産の内容を出来る限り把握することが重要です。

本人名義の銀行口座はもちろんの事、不動産、株式、宝石類、骨董品関係についてもすべて洗い出します。

また、相続の対象となるのは「プラスの財産」だけとは限りません

クレジットカードの返済やキャッシング、消費者金融からの借金やローンなどについても、「マイナスの財産」として相続財産の対象となります。

相続放棄や限定承認について

プラスの財産よりもマイナスの財産の方が多い場合、または借金の全容がはっきりわからないような場合については、相続放棄や限定承認の手続きを行うことが多いです。

相続放棄をするとすべての財産の相続権を失うことになり、限定承認をするとプラスの財産の範囲で相続することとなります(限定承認は相続人全員での申立が必要などの制限があります)。

相続放棄と限定承認は、相続の開始があったと知った日から3ヶ月以内と期限が決められていますので十分にご注意ください。

準確定申告

その年の税務申告については、通常ですと翌年に確定申告を行いますが、本人が亡くなられた場合については、相続の開始があったと知った日の翌日から「4ヶ月以内」に相続人が手続きをする必要があります。

これを「準確定申告」といいます。

相続税申告

相続税が発生する場合については、相続の開始があったと知った日の翌日から「10ヶ月以内」に申告と納税をしなければなりません。

相続税申告においては、節税につながる特例や控除制度がありますが、遺産分割が終わっていないと適用できないもの(配偶者控除など)もあるため、早めに遺産分割協議をまとめることが望ましいと言えるでしょう

当事務所なら相続の手続きも簡単

遺産相続が発生しますと様々な手続きが必要になるため、必要に応じて別々のところに手続きや相談、依頼をしなければならず、相続人の方にとっては大きな負担となります。

当事務所にご相談いただければ、税理士、司法書士、不動産鑑定士、不動産会社、土地家屋調査士、遺品整理業者などと連携しておりますので、すべての手続きについてワンストップサービスにてサポートすることが可能です。

早めにご相談いただくメリットは皆様が思っている以上に大きいものですので、お困りのことがありましたらお気軽にご相談いただければと思います。

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