遺産相続が発生すると、さまざまな書類を作成しなければなりませんが、その中でも非常に重要な役割を果たすのが「遺産分割協議書」です。
今回は、遺産分割協議書を作成する理由や作成時のポイント、注意点などについてまとめてみました。
遺産分割協議を行ったら「遺産分割協議書」を作成する
相続では「遺産分割協議」を行ってそれぞれの相続分について決めることになりますが、誰に何をどれぐらい分けるかをまとめたものが「遺産分割協議書」です。
遺産分割協議書は法律で義務付けられているわけではないので作成しなくても罰則はありませんが、作成していないと合意内容に疑義が生じて争いになる可能性があるため作成しておくのが通常です。
遺産分割協議書に決められた書式はない
遺産分割協議書には決められた書式はありません。
必要な内容が全て盛り込まれていれば、直筆でもパソコンで打ち出したものでも認められます。
ただし、合意内容が明確にわからない遺産分割協議書だと作成する意味がなくなってしまうので、最低限記載すべき事項については事前に押さえておく必要があります。
遺産分割協議書の作成方法については、後ほど詳しく解説します。
遺産分割協議書は相続登記で使われるケースも
遺産分割協議書は相続人の間で合意した内容を記載した書類ですから、基本的には第三者に見せたりするものではありません。
ただ、相続財産を「故人→相続人」の名義に変更する際には遺産分割協議書の提出が必要となります。
例えば、不動産の相続登記をする場合については添付書類として遺産分割協議書が必要になります(有効な遺言書があれば、遺産分割協議書はなくても問題ありません)。
その他、預金口座の名義変更や株式の名義変更などでも、遺産分割協議書が必要になる場合があります。
遺産分割協議書の作り方
遺産分割協議書は、簡単な内容であれば一般の方でも作成することが可能です。
ここでは、必ず記載すべき事項や注意点などについて解説します。
相続財産を正確に記載する
遺産分割協議書には、対象となる相続財産について全て記載します。
この際、不動産や預金口座などの情報については、そのものが特定できるよう正確に記載することが重要です。
例えば、土地であれば次のように記載します。
・所在地:東京都新宿区新宿○丁目 地番:○番 地目:宅地 地積:100㎡
不動産を記載する際には、いわゆる住所ではなく、登記簿謄本に記載されている「地番」を正確に記載します。
不動産が明確に特定できない書き方をすると、登記申請をする際に作り直しや訂正印が必要になる可能性があるため注意してください。
建物であれば家屋番号、預金であれば銀行名・支店名・種別・口座番号、自動車であれば、登録番号・車台番号を正確に書きましょう。
作成日を記載する
遺産分割協議書を作成したら、必ず作成した日付を記載しましょう。
いつ作成したのかわからないと、無効になってしまいますので注意してください。
相続人全員の署名捺印をする
遺産分割協議書を作成したら、最後に相続人全員の署名捺印をします。
本人が直筆で署名した上で、捺印については必ず「実印」で押印し、印鑑証明書の添付も必要です。
記載する住所については、印鑑証明書の記載通り正確に書きましょう。
遺産分割協議書が複数枚に及ぶ場合については、相続人全員の実印による「契印」が必要になります。
人数分作成する
遺産分割協議書は、相続人各人が原本を保管するため、相続人の人数分の遺産分割協議書が必要になります。
遺産分割協議書作成は弁護士に任せるべきなのか?
遺産分割協議書は相続登記等に必要な重要な書類です。
ちょっとしたミスで作り直しが必要になる可能性があることは留意しておかなければなりません。
遺産分割協議や相続登記(登記業務については、司法書士をご紹介いたします)などと一緒にご依頼いただくことで、確実で安心な相続を実現できる上、皆様にかかる手間も大幅に削減できます。
そういう意味では周辺の事柄も含め弁護士に依頼いただくことが選択肢としては有力になってくるでしょう。
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