相続手続きを終え、ひと段落ついたと思いきや、他の相続人から遺留分侵害額請求をする旨の書面が届くケースがあります。
原則的に遺留分侵害額請求には応じなければなりませんが、相手の請求額をすべて飲み込まなければならないかというとそうでもありません。
遺産の評価や範囲に誤りがある可能性もあるため、冷静に対応することが重要です。
今回は、遺留分侵害額請求(旧:遺留分減殺請求)された場合の対処法について解説します。
遺留分減殺請求に応じる義務はあるのか
遺留分については民法で規定されている絶対的な相続分で、侵害された相続人から遺留分侵害額請求をされた場合については応じる必要があります。
ただし、請求されている金額をそのまま支払う必要があるということではありません。
遺産の範囲や評価など論点は多々あります。
言われるがまま支払うのではなく、冷静に内容を理解することが非常に重要です。
どのように対応すべきかわからなければ、弁護士等の
専門家に相談することが望ましいと考えられます。
ダメージを最小限に止めるには侵害額を正確に算定することが重要
遺留分の侵害額を計算することは簡単ではありません。
侵害額を計算するためには、まず相続財産の全てを把握した上で、不動産や株式などについては一定の計算方法によって評価額を算出する必要があります。
遺留分侵害額請求をしてきている相手方が、弁護士に依頼せず、自分自身で請求をしてきている場合は、侵害額自体が間違っていることがよくありますので、そのまま支払いに応じることはとても危険です。
当事務所にご依頼いただければ、独自に侵害額を再計算し、金額が正しいかどうかチェックいたします。
返還する金額を交渉することもできる
たとえ机上で計算して請求されている金額が概ね正しかったとしても、できる限り低く抑えられるよう、当事務所の弁護士が交渉できる可能性があります。
交渉のポイントとなるのが「特別受益」です。
遺留分侵害額請求をされた際に、請求者側の相続人が生前に多額の贈与を受けているといった事情があれば、「特別受益」に該当する可能性が出てくるため、その事実を根拠として返還する金額を低くするよう交渉します。
特別受益については、贈与をした証拠があると非常に有効ですが、ない場合でも事実に基づいて弁護士が交渉すれば、相手を説得できる可能性もあります。
相続財産の評価額の妥当性についても論点が存在
相続財産の中に不動産が含まれている場合については、相手が算定している評価額が妥当ではない場合があります。
遺留分の侵害額については、不動産の評価額によって引き下げることが可能です。
当事務所では、相続財産に不動産が含まれている場合については、評価額を再計算し、評価額を引き下げられる要素がないか、徹底的に確認いたします。
当事務所は大阪府全域のご相談に対応しています
当事務所は大阪府内に2つの拠点を設置しており、大阪府全域の相続に関するご相談に対応できるよう体制を整えております。
相続については、画一的な解決法はなく、案件ごとに解決方法をオーダーメイドしていくことがとても大切です。
よりご依頼者様にとってメリットのあるご提案ができるよう、1つの案件について堺オフィスでは2名の弁護士が対応する体制を整えております。
多角的に事件の分析を進め、多くの選択肢の中からご自身のより納得がいく方法を選んでいただくことができますので、まずはお気軽にご相談ください。